2008年10月14日火曜日

パリ1 カラヴァン作品

ダニ・カラヴァンDani Karavanなる人物がいます。彫刻家?ランドスケープアーキテクト?
今、世田谷美術館でこの人の企画展をやっているそうです。興味のある方は。

今回のパリ旅行の、僕の目玉でした。
軸の都市パリと、軸の人カラヴァンがどのように結びついているのか。

パリでは作品を二つ、見てきました。
一つはラ・デファンス地区にある、小さなもの。
もう一つは、パリ近郊のCergyという町にある、大きなもの。
後者は、大当たりでした。

♪『シャルルドゴールの遊歩道』 Esplanade Charles de Gaulle
一つ目です。カラヴァンのホームページで見つけたもの。
ラ・デファンス地区を見たことがなかったので、その足でこちらまで来ました。駅一つ分、工事中の街を歩くのは、刺激的であり、なかなかしんどい。

右の写真、背丈くらいのガラスブロックが配置されています。
そこに、シャルルドゴール大統領の、演説の台詞が記されています。




訪れたのは、金曜日の夕暮れ。
折悪しく、というのだろうか、市場が開かれていました。
扇形の線路の上に喰い散らかされたゴミが散乱しているのに、ぎょっとしました。







数百mの鉄路の、カラヴァンの軸線に展開されるマーケットの露店。
場所は、新興住宅地です。
東京でいえば高島平のような集合住宅地です。
都市デザインで言えば、公共の場は使われてこそ雰囲気が出るものだけど、この場合は作品を置く場所を間違えたと言うのだろうか。作品の緊張感と日常の生活の味が混ざっています。貴重な体験かもしれない。
ちなみに、ここのカラヴァンの軸は、パリの例の大きな軸線と直交しています。

枕木と線路の組み合わせ。
一人静かに、廃線跡のような寂寥感に身を沈めたくもあり・・・。

ただ、目の前で子どもが遊んでいるのを見ると、地面と同化した作品が良い具合に風化しているような気になります。






お決まりの軸。
あっという間に、市場はだいぶ片付きました。

ガラスブロックの下は駐車場になっていて、ガラスを通って地下に自然光を取り入れています。地下には植栽すらあります。
実際はかなり練られているデザイン。





後ろに見えるのは、ラデファンスのスカイラインの一部。
夕暮れになると、柱が発光します。
軸線の奥、写真右手側は、公園への入り口。

雑誌の写真で見る静謐な緊張よりも、人が散歩したり、子どもが泣いたり、市場の雑踏が繰り広げられている方が、作品の幸せなあり方なのかもしれない。




♪『主軸』? Axe Majeur
駅から大きな時計をくぐって、街を抜けます。
Cergyはパリから電車で半時間、こちらも集合住宅の林立する新興住宅地です。住民がパリまで通っているかは確かではないけど、おそらくは中央線のベッドタウン的イメージ。
着いたのは朝です。なぜかこちらも市場が開かれていて、雑踏をくぐり抜けて入り口に到達しました。
写真の柱は、駅から確認出来るほど大きい。




円形の集合住宅を突き抜けて軸が進みます。
丁度向こう側から朝日が差し込んで、朝を選んだ自分に満足する。
カラヴァンもさることながら、この円形の集合住宅の、室内の間取りもかなり気になります。見た目は歴史的建造物のような迫力、窓をのぞくと生活感溢れる家庭。






こちらは、全長3kmに及ぶ、直線です。
この写真は、とても気に入っています。
朝だからか、運動する人がとても多い。自転車、ジョギング、散歩。








長い階段を下りてゆくと、川にたどり着きます。
架かるのは深紅の橋。
この橋の上を、補助輪を付けた自転車で少年が通り抜けたり、犬を連れた老夫婦が歩いたりしています。







夜は照明になるものと思います。
青空との対比が、目が覚めるようです。









橋を抜けると、大きな池に出ます。
池には、四角錐が浮かんでいます。
しばし、呆然とする。








舗装は二種類、メの荒いものと、細かいもの。
細かいものの方は、朝露が降りてよく滑ります。
冬場凍結したらどうなるんだ。









作品の日本語表記は、僕が勝手に訳したもので、定訳は知りません。
訪れは朝がおすすめです。行き方などは、連絡ください。

――その他の記事――
□パリ旅行
□パリその1 ダニ・カラヴァン
□パリその2 ラ・ヴィレット公園
□パリその3 シトロエン公園
□パリその4 建築たち十人十色
□パリその5 パリの街のあれこれ

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