2010年1月27日水曜日

束縛と上納金

無粋なたとえ話だけど、たしか、誘拐事件の心理分析か何かで、被害者が犯人にこれ以上危害を加えられないと分かった時に、犯人に感謝の念を抱くことがあるらしい。


携帯電話の機種代金の、24回ローンがもうすぐ終わる。
長年愛用していたNokiaの、二台目である。

Nokiaは、使い勝手が良い。
使用方法を考え込まなくてもいいのがうれしい。
よく分からないけど妙に高性能なカメラで、一応音楽も聞けるし、旅行中も大活躍だった。


残念なことに二台目のNokiaには初期不良があった。
振動で電源が落ちる。
僕は常にマナーモードなので、電話の着信を受けても振動でシャットダウンされて、着信履歴にも残らない。


携帯電話の機能を果たしていない気がするので、販売店に持って行ったところ、店員さんの前で問題がなければ問題がないという解答をもらった。

お客さまは神様じゃないのか、とも思った。
しかし、認識の点では、全く正しい理論である。
僕には、問題があるが、店員さんには、問題はない。
見解の相違というだけで、店員さんが間違っているわけではない。

この論破は、鬼ごっこのルールをくつがえすより難しい。
少なくとも、文学部でなく法学部に任せたい。

こういうとき、だいたい僕の持ち物は、生みの親に味方する。
昔、ゲームボーイの充電器が接触不良を起こした時も、修理を願い出たおもちゃ売り場の店員さんの前ではなんら支障無く作動した。
子供心にゲームボーイを恨めしく思ったわけである。


じゃあせめて機種変更すれば良いわけだけど、携帯電話の契約は複雑な制約があって、26ヶ月だか使い続けないと、割引がなくなる。
もともとの本体価格を払わなければならないらしい。
無駄に高機能なケータイで、およそ6万円くらいであった。
解約にあたる違約金などなど、下手に解約も出来ない。
IT分野に関心の高い人たちは、このような費用を総称して上納金と呼ぶらしい。

全ては、購入の時に初期不良を指摘できなかった僕の不覚だ。
山手線では、懇切丁寧に傘の忘れ物まで教えてくれるご時世である。
しかしながら、ことケータイ業界は一転して自己責任を重んじているらしい。


そんなわけで、途中海外に居た分を差し引いても1年以上は電源の落ちるケータイを使いつづけたことになる。
内定に至らなかった就職先も、もしかして僕に電話していたんじゃないかと、邪推したくなる。

5 件のコメント:

M さんのコメント...

ストックホルム症候群だ

私がこれ以上危害を加えないと判断されればコーヒーでもでてくるんでしょうか

クリオネ さんのコメント...

私も電子辞書が店員さんの前では難なく起動し、家に持って帰ったらまた動かなくなる…ということがありました。

何でですかね?
身体から電磁波とかが出てるんですかね?
関係ないか。

toyobe1984 さんのコメント...

>areiさん

まあ、初めからコーヒーくらいは供してましたね。
人畜無害なんでしょう。
217ユーロ貰い受けましょうか。

>クリオネさん
電磁波は思い至らなかった。
鉄製のエプロンかなんかで防げるんですよね。
違いましたっけ、妊婦さんのつけるやつ。

当面は、店員さんが電磁波を出していると、思いたいです。

Unknown さんのコメント...

僕の場合はMacBookの電源が充電されたことにならず、アップルストアでは充電されたことになる、ってことがありました。
修理?いまだにしてません。ええ。なんとかなるもんです。

toyobe1984 さんのコメント...

そういえば、僕のmacbookproも電池がリコールの対象になってました。交換は、間に合わなかったけど。
フル充電で20分で電源が落ちる。
まあ、諦めが肝心ですよ。機械だから。

現行モデルは8時間持つんだよねー。ほしいなあ。