2010年1月20日水曜日

「ザ・前座修業」

「5人の落語家が語る ザ・前座修業」
稲田和浩・森田梢路 NHK出版生活人新書 2010

落語の世界の前座修業を語った本。
「特殊な社会の特殊な修業話とはいいきれないはずである。あらゆる職種での新人たちに、なにかのヒントを残してくれるはずだ。」と新人向けをうたっている。
身の不始末をなんとかしようと思っていた矢先、何か、すがるようにして買ったものと思う。

お説教の香りがして、直立不動の姿勢を強いられている気がする。
だから読んでいて楽しくはない。
それに不勉強だから、五人の落語をよく知らないのでイメージできる幅が少ない。

ただ、前々から興味のあった落語家の修業時代が、より身近になったのは確か。
寄席での前座の仕事も分かりやすく描かれている。
芸に取り組むそれぞれの姿勢の違いも面白い。
「芸は砂の山だ・・・当人は、上がっているつもりで一歩ずつ歩いていても、じつは足下から崩れていっている・・・」(円生)とか、ちょっといい。

どう読んでいいか分からないけど、例えば飲み会で年長者の意見を聞いて、ほんまかいなと思ったりもっともだと思ったり、じゃないかと思う。

帰って来たらまず寄席に行きたいと思っていたのに、行く勇気がでないまま半年。



柳家小三治、三遊亭円丈、林屋正蔵、春風亭昇太、立川志らく(敬称略)

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