2009年1月26日月曜日

フランクフルト


フランクフルト

フランクフルト工芸博物館1985年

リチャードマイヤーの設計した、フランクフルト工芸博物館に寄ってきました。
マイヤーは作曲家で言えばラフマニノフじゃないかと思う。
何か新しく始めたわけではないけれど、すでにあるスタイルで職人芸を見せてくれる。
つまり冷蔵庫の余り物で美味しい夜ご飯を作る匠に近い。

窓に映り込む木。








掃除中の気さくなおじさん。








右側の既存の建築と窓の間隔があわせてある。
こういう遊びは大好きです。







内部も白い。
展示品は思いのほか面白いです。
木工細工の箪笥が迫力があります。

ヨーロッパの工芸品って、ぶきっちょなところがいいと思う。




川沿いに行くと、新興住宅街がありました。








恵比寿みたいな雰囲気。








再開発中の何かの跡地
おそらくは陸運と水運のターミナルか何かだったのではと思います。
ちらほらと廃線跡が残っています。

高層ビル好きのフランクフルトにまた一本新しいタワーが建つそうです。


中央駅前のユースホステルで相部屋の他人の情事を一晩中聞かされるという土産話付きの滞在。

世界の車窓から

ノートパソコンの電池が壊れている。だいたい1時間程度で、断りもなく突然電源が切れるので、基本的に屋外で作業はできない。
ところがドイツの新幹線の新型車両は、コンセントがついている。映画を見ながら音楽を聴いて写真を楽しむという現代人っぷりを満喫できる上にとても速そうな顔をしているこの新幹線が好きだ。

ヨーロッパはいい具合に、つまりはいい加減に出来ている。
旅行者用の鉄道パスを買った。五カ国で有効、二ヶ月間のうち任意の10日間乗り放題という優れもの。
それは良いのだが、だいたい検札が大雑把なので本来押されるはずの消印は三度に一度しかつかない、消せるもので書けば一ヶ月は毎日乗り放題になる勘定。
中国人も韓国人も日本人もヨーロッパの旅行者はお金持ちが通説なので(彼らはアジア人の区別が出来ない)、だいたいは心地よく顔パスすることになっている。
学生にはありがたい切符。

いい加減の最たるものが窓口対応で、ベルギーもかなりのものだけど、フランスの国鉄の窓口は切符も満足に発券できないらしい。
ただ、憧れるのは、国をまたぐ特急の乗務員はだいたい数カ国語に通じていて、例えばベルギードイツ間なら英仏独蘭、すらすらとアナウンスしてみせるのだ。
もっとも、言うべき台詞があらかじめ決まっているという前提はあるし、お国なまりがひどい場合が多い。チェコの乗務員の英語はひどかった。それでも、国際パイロットのように少年の憧れを集めているに違いない。

僕は快眠を好むほうだけど、ヨーロッパの冬は日照時間が短いので、8時に目覚めれば日の出が拝める。白みがかった青空に、朝日を受けた雲の色の移ろいを愛でるのは悪くない。
どうも観光の目的地が大都市に偏る。片田舎の異国情緒を垣間見る鉄道の車窓はだからこそ魅力的なのだろうと思う。

ぶつぶつ言いながらドイツに着きました。

2009年1月11日日曜日

捨てたもんじゃない

長旅を終えて、戻ってきました。
設計スタジオの課題の提出も済み、一山越えて脱力しています。
ここのところ、ブリュッセルの気温は−10℃あたりを前後してます。
少し前に降った雪がほとんど解けず。スキーには理想的な雪質を保っています。
金がない。

ブリュッセルは灰色の街だそうです。直射日光を浴びることはとても少ない。
そのせいか街並み全体はおろか人々の顔まで灰色になるそうです。
僕がこちらにきて四ヶ月が経ちました。
住み慣れてしまえば色々な不便も逐一腹を立てることもなくなる。
同居人との二人暮らしも、お互いの悪癖が出尽くしてしまえば、まあそういうもんだと愛着もわく。同じアパートの住人との毎夜のポーカーも悪くないです。
結局僕は人につくのだと思う。

ブリュッセルのクリスマスマーケットで見た、メリーゴーランド。
この街の素敵なもの上位三位に確実に入る完成度。
大きなブリキのおもちゃで出来ていて、それぞれが独立して緻密な動きをします。
ベルギー人の友人によれば、長い間、使い込まれているそうです。

残念ながら、ちびっ子専用。ただ、乗れなくても見飽きません。





メリーゴーランドに回るコンバス。
もちろん、ここにも乗れます。








ミトラレッテという食べ物。
ブリュッセルの外食は割高なので、どうしてもジャンクフードに頼ることが多くなります。
いつになったら牛丼チェーンが来てくれるのか。

二つに切ったフランスパンに、煮込んだタマネギ、肉少々、大量のポテトを挟んだ、サンドイッチできないサンドイッチ。

ドイツ4 ケルン

ケルンには、東洋美術館があります。
中国、韓国、日本の壺やら掛け軸やらが、すっきりした平らな屋根の美術館に収まっています。

ダニ・カラヴァンの作品がここにもあります。
中央駅前の教会を回り込んでライン川の方に向かうと、美術館の脇に例のレールが埋め込まれています。









後ろに見えるのがケルン大聖堂。
雪の舞う寒空。

2009年1月9日金曜日

イタリア3 ミラノ

相変わらず、トラムがいい。
色と、木の扉がいい。

ミラノは前回のイタリア旅行で少し寄りましたが、スフォルツァ城というところにミケランジェロのロンダニーニのピエタがあります。今回の主眼はそれ。

晩年の作だそうです。ミケランジェロは作成途中で、既に完成の近づいたキリストの像を削り込んで別の姿勢に作り替えています。
削り取られた右腕がそのまま残っているところに思いを馳せたのですが、何が面白いのかは専門家に聞いてください。

イタリアの外食は、立ち食いと座って食べるのとで値段が倍くらい違います。
カウンターに寄りかかってさっと飲めば、カプチーノが150円くらいで飲めます。

イタリア2 フィレンツェ


花の都フィレンツェ。
上の写真の、玉ねぎ頭の影法師がドゥオモ。
頂上から撮りました。
フィレンツェは、歩いて回るのにちょうどいい大きさです。
観光都市ですが食べ物は美味いし安い。










♪ウフィッツィ美術館
かつての執務室を美術館に転用したので、日本語なら「事務所美術館」となるらしい。







ウフィッツィ美術館の化粧室。遺構にガラスと鉄でアプローチを架けています。
凝り性な人が作ったんだろうと勝手に思いを巡らす。










♪ポンテ・ヴェッキオ
フィレンツェは、歴史の財産だけで十分生き残って行けるんだろうけど、この、あくせくしない、なんとなく気の抜けた空気も悪くないと思う。

イタリア1 ローマ

♪ヴァチカン
♪コロッセオ
♪パンテオン
♪ナヴォーナ広場
♪おまけ
米印の通気口。
日本食ブーム。







ヴァチカン近くの市場。
ローマは懐が深い。

ウィーン再び

小雪の舞う中、中央墓地までやってきました。
ブラームス、シューベルト、ベートーヴェン、シュトラウス一家など、大手作曲家のお墓が一堂に会する贅沢な墓地。
それぞれ、死して数百年。なお人々を惹き付ける名曲の数々に脱帽。

♪フンデルトヴァッサ―ハウス
フンデルトヴァッサーの手による公共住宅。
前回僕が来たのは、2005年の夏だったと思います。
賑やかな色彩が持ち味だと思っていましたが、冬の寒空に建つと、なかなかに色っぽい表情です。

















♪シュテファン教会
クリスマス前夜をウィーンで過ごしたので、信者の顔してシュテファン教会のミサに出てみました。
司祭さんの話が分かれば、楽しいはず。

チェコ プラハ


石畳の街プラハ。
芸の細かい装飾が随所に見られます。

ミュシャはプラハの出身なのだそうです。
チェコの人は手先が器用なのか。




プラハには三本の地下鉄が走っています。
写真は、駅構内の色分けによる動線案内。
飯田橋駅を思い出しつつ。






♪ダンシングビル
ご存知フランク・ゲーリー。
写真が悪いが二本のビルが寄り添うように建っています。
観光名所です。
「ダンシングビルは、建築的な名所だけでなく、多忙なビジネスセンターでもあるため、見学はお断りさせていただきます。予めご了承ください。」との日本語表記あり。
そうはいっても、中に入らないことには何も言えない。
勿論、遠慮しましたが。




ガラスを見上げる。曲面の造形美、でしょうか。

ドイツ3 ドレスデン


♪UFAシネマセンター
コープヒンメルブラウというグループの設計による映画館。
ホール部分がガラス、上映劇場はコンクリートという分かりやすい構成。
複雑な形と単純な構成が絶妙なさじ加減です。





こちらは、ガラスボックスの方。
内部はこういう雰囲気。







♪トラム停留所
トラムの停留所です。どうも幹線の結節点らしい。旧市街の要にあって、縦横に路線が交差しています。
ガラスと金属です。
廃墟から執念の再興を遂げた石造りの街並みと、全くいがみ合わないところが技。




古都ドレスデン。
写真は、ゼンパーオーパー。
カタカナで書くと魅力がいまいちなのですが、ネイティブの発音を想像して楽しんでください。

ドイツ2 ベルリン再び

ベルリンのクリスマスの様子。
目抜き通り、ウンターデンリンデンも電飾が施されています。
電飾は、この色が一番だと思う。

カイザーヴィルヘルム記念教会。爆撃を受けて半壊した教会を、改修しています。
教会の天井のモザイクが、半壊してもなお存在感のある美しさ。
広場はクリスマスマーケットで賑わっています。

ドイツ1 エッセン炭坑跡

♪ツォルフェライン炭坑跡
ルール工業地帯の原動力である石炭を産出しつづけた要所。エッセンにあります。
文化遺産への改修にあたっては、レム・コールハースが統括を担当したそうです。
写真真ん中のエスカレーターは彼らの手によるものだと聞きました。
同居人によれば、オランダ人の威信を賭した配色だそうです。
黒地に鮮やかなオレンジ。
単なるエスカレーターも奥が深いものです。

二時間程度のガイドツアーがあります。ただで勝手に見て回ることも出来ます。


ソーセージを齧りながら晴れた空を歩くのは気持ちがよい。
廃線跡が遊歩道になっていたり、トロッコが打ち捨ててあったり、子供心をくすぐられます。
今は氷が張ってスケートリンクになっています。





世界一美しい炭坑、とどこかに書いてありました。
詰所の建物です。ガイドツアーで解説を拝聴したがあらかた忘れました。安田講堂。






SANAA設計のアートスクール。
折角なので。

study_visit アントワープ


ベルギー建築見学会の最終回はアントワープでした。
今回は、アートなオフィスと動物園。
オフィスは、倉庫を改修したもの。
世代の違う三棟の建物を一つのオフィスにつなげたところが、この作品の妙だそうです。
古代の服飾の所蔵品が展示されています。
この手の展示室の独特の暗さは、居心地が良い。




動物園。
かえるの写真。いい表情。
見学の意図はなんだったのか。ペンギンやらライオンやらに、はしゃいでおりました。

相変わらず、毎度どこか間の抜けた遠足になっているところが、見学会のご愛嬌。


曇り空こそベルギー。
長く住んでいると、顔まで灰色になるそうです。

左の塔が、ルーベンスのあるノートルダム教会。
パトラッシュとネロの物語を鑑賞してから拝むと、また違った心境があるものと思います。



ゴミ袋がかっこいい。

アントワープは、広場などなど公共空間が手際良く整備されています。裏で糸を引いている人がいるはず。





アントワープ中央駅。
写真がいまいちだけど。五層にわたってプラットフォームが積み重なっていて、吹き抜けは大迫力です。