2009年6月26日金曜日

「住みこみ」

戸田晃という人が、自分の家の改修を写真や文に書き留めたもの。

今あるものをどう使い込んでいくか、使い込むとこんなに味が出る、なんてことを、子どもとの日常なぞを織り交ぜながら紹介してくれる。

著者は、建築家なのだそうですが。
・芸大の美術科を五年間浪人した強者。
・放浪癖がある。
・ガンジス川の、全てが混沌の空間に、自分の「価値観がシャッフルされてしまった」。
こういうところに憧れる。

僕がヨーロッパ留学中に渇望したことは、おそらくこのガンジス川の光景だと思う。
結局、異国の地にありながら、見慣れた先進国の見慣れた商業空間ばかりを見て帰って来てしまった。
ローマ時代の廃墟も、観光地になればテーマパークかも知れないし。

環境負荷だとかエコだとか、大義名分にはふれていないけれども、日常を大切に生きることの心地よさと幸福感に、とても説得力がある。
衝動買いはお金を使うことに快感があるわけで、「もの」そのものによる満足感というのは、苦労して使い込んで自分の一部に近づけていく道程に生まれるのだと思う。

偶然手に取った本に、出会いがあったのがうれしい。


ちなみに、戸田晃さんのwebサイトはこちら

3 件のコメント:

arei さんのコメント...

きっと、一番のシャッフルはアパートで起きてたんじゃない。スペインよりもドイツよりも。

それはさておき、古民家の囲炉裏で土鍋を囲むことと、神宮にプレーオフのナイトゲームを途中入場割で見に行く(目的は夜風に吹かれてビール)っていうのはどう?ひげも呼び寄せて。

Euge さんのコメント...

もう一度おいでよ。
辺境に行こうじゃないか。

toyobe1984 さんのコメント...

アパートでのシャッフルの一番は、髭に襲われたことだろうね。

辺境。どこだろ。
次は中東かアフリカあたりが面白そうだな。