2009年6月18日木曜日

この前素足で歩いたのは

古道具屋と骨董屋は違うんだそうです。
骨董品は、品物の付加価値に重きを置く、古道具屋は、道具としての品物そのものに重きを置く、という理解でいいのだろうか。
前者が運気の上がる壺を扱い、後者は梅干しを漬ける甕(かめ)を扱うんじゃないかと思う。
だとすると、「はてなの茶碗」はどちらに持って行ったら売れるのかしら。

この小説は古道具屋の話でした。
変哲もないけど使い込まれて愛着の湧いてしまった品々と、同じようにぱっとさえないけどどことなく趣きのある人々の日々のやりとりが書かれています。

川上弘美の本の、何が気に入っているのか、説明する言葉がなかったんですが、この本の解説を書いた方の意見では、「びっくり文学」なのだと言います。
「びっくり」というのは、「無防備の性感帯」で説明できると解説には書いてあります。
素足の感触のような、気負わない観察眼が共感を呼んで、ひいては読み手の日常をもほぐしてくれるのではないかと思う。
下宿のおばさんを俗物と睨み世の行く末を憂える類いの鋭い視線に晒されずに小説が読めるというのがありがたいのだと思う。
なんか画数が多い。

2 件のコメント:

arei さんのコメント...

最後の文を読んで、私がバカになったのかとか、もとからバカだっけとか、しばらく混乱しました。ゲシュタルト崩壊寸前まで。日本語って難しい…

arei さんのコメント...

ほめてるんです。念のために言うと。