2008年8月31日日曜日

さらば祖国。

留学に備えてインターネットを解約したので、数日はネットのない生活です。新鮮。
次の記事はブリュッセルで書くんだろうと思う。


人生の最初の挫折は、世間が自分の味方ではないと気づくことだと思うのですが、留学に向けて色々な人から祝ってもらったり、助けてもらったりしています。
ただただ、感謝。
嬉しかったので頂き物を集めて写真取ってみました。個性派は、チョンマゲとかフンドシとか寄せ書きスリッパとか。
僕は人に恵まれています。普段忘れていますが、罰当たりなものです。
一生の宝だと思います。


■本読みました。
「ボクたちクラシックつながりーピアニストが読む音楽マンガー」
青柳いづみこ 文春新書2008

珍獣扱いされかねない音楽家、ピアニストについて、「のだめ」と「ピアノの森」、「神童」の三つのマンガを下敷きに実情を明かす話。感性、コンクール、留学など、ピアニストを知るためのキーワードが網羅されていて、まつわる神話を解きほぐしてくれる。
すすめられて読みました。のだめブームに乗っかった感はなくはないですが、その心配を拭ってあまりある緻密な本です。精緻な構成ながら、親しみやすいのがうれしい。特に面白かったのが、年間に何千人と輩出される音大卒の音楽家たちの、経済的な実情。喰わねど高楊枝というわけにはいかんのです。

■おまけ
夏の旅行で行った越後妻有の写真。





















丸見え。

2008年8月13日水曜日

9月6日は演奏会

相変わらず混乱状態の日々。

PCの電源ケーブルが断線したり、携帯が勝手に電源落ちたり、猛暑への抗議でしょうか。
アルバイト先に送別会を催してもらったり、高校の合唱部の同窓会に恩師が来てくださったり。
夏は飲み放題です。

ところで今朝、浅草観音うらで、稲を見つけました。右の写真の他にも軒下に稲を置く家庭が数件ありましたが、ブームが来ているのでしょうか。
黄金色の秋は近い。

さて、ネタは大きく3つです。


1、「演奏会再び」

またアバコで素人演奏会します。
今回は、会場が早稲田教会の聖堂の方かも知れません。
音響がいいことを祈る。そもそもピアノがあるのだろうか。

チラシ作ってみたので、載せます。

曲の順番は未定ですが、メインはドヴォルザークのピアノ五重奏です。カタカナが多い。
有名な曲なんだそうです。知りませんでした。
ヴィオラ大活躍です。作曲者の贔屓ですね。
五重奏を全楽章弾くのは初めてです。
初めて気づいたことですが、五重奏は弦楽器がうるさい。
あと、この曲は第四楽章がちょっと馬鹿っぽいです。
今日、CDを借りて来て、聴いてみましたが、やはり馬鹿っぽい。

最近ラヴェルにはまっています。チラシの真ん中の曲、管弦楽でおなじみの曲ですが、今回はピアノのソロです。
挑戦です。

2、「田村市」
また行ってきました。
怒濤の五日間。骨の髄まで田村に染まって帰ってきました。
UDCT田村地域デザインセンターの開所式があったり、滝根地区のワークショップがあったり、イベントも盛りだくさんでした。
UDCTのオープンで学生も田村に拠点が出来たので、ふらっと立ち寄っておやつを食べられるようになったり、休憩時間が作業時間に変わったり。
嬉しいやら悲しいやら。

調査では、まち歩きマップ作成のために歩き回っていました。
自転車で田村富士に登ってみましたが、1時間かけて登ったのに下りは10分という車輪の奇跡。
パラグライダーの大会があるんだそうです。見晴らしは素晴らしい。
「船引タウントレイル」マップ第一弾はこの秋、公開です。乞うご期待。


最終日は入水鍾乳洞に入りました。田村市も炎天下だったので、下半身が水浸しになるも果敢に難所に挑みました。鍾乳洞は年間を通じて気温14℃水温10℃らしいです。
一緒に行った女性達は水の冷たさに悲鳴を上げていましたが、狭い鍾乳洞では体格差が尻目に出て自分はしんがりを担当することに。闇の中に放置されなかったのが幸い。
道程が半分水中なので、写真がない。

3、「仕事道楽ースタジオジブリの現場」鈴木敏夫

プロデューサーの立場から見たジブリのあれこれの本です。
面白かったので。
記録より記憶、とか、徳間書店の社長の言、相手に追いすがられたら、ずっこける。そうすれば相手がその上を通り過ぎて行く、とか、お互いに尊敬してないから仕事できる、とか。こうやって抜き出して並べたところで全然面白くないですが、僕の日常に心地よい刺激を与えてくれました。
あと、宮崎監督も高畑監督も、もちろん著者も、ものすごい読書量なんだろうと思います。子供の頃は、こういう映画は感性で作っちゃうんだろうなと思っていたのですが、当然、頭はこき使っているのですね。




あ、「ぽにょ」、見に行きました。
研究室の先輩が公開前から主題歌を謳歌していたので、大学で擦り込まれたのかもしれません。
チケット売り場に一人で買いに行ったら怪訝な顔されましたが。

2008年8月3日日曜日

パリ・ラヴィレット建築大学との合同WS

パリラヴィレット大学との建築ワークショップ、無事終了しました。
今回のお題は住宅。リッチな人に住んでもらうことをきっかけに、衰退した地域に刺激を与えようというテーマでした。
言語は英語。留学生活への腕慣らしには最適。

課題の敷地は、秋葉原の周辺の、静かな界隈です。


敷地調査の後、いくつかの班に分かれましたが、僕の居たグループは五人。
二人が日本人の建築科、二人がパリジェンヌの建築科、そして都市デザインの自分。住宅という難問を協働でまとめあげるのは苦難の道程でした。

建築家というのはオーケストラで言えば指揮者なんだと思います。とりまとめ役。
今回は指揮者五人がかりで一つの住宅をまとめるわけです。舟も山に登る大混乱。
僕自身は別の困難が。普段、1:500や1:1000の図面に慣れているせいで、1:50サイズのディテールに終始する議論に面食らいました。屋根の形とか素材とか。
地区に刺激を与えるというテーマ設定が気になって、コンセプトに気を取られていた自分は議論について行けず。
初日のエスキスでは木っ端みじん。グループに不穏な空気が流れる。

印象に残ったのは、大野先生の一言。
「都市は、プライベートな力がきっかけで形成されて来た。」「建築家は、少なくとも一つの美しい建築を建てることが出来る。」
ブルディエ先生の、学生を鼓舞する話術も圧巻でした。学生に見る間に意欲が湧く。魔法か。

ところで、設計のプロセスでは、日本のライフスタイルがだいぶ話題になりました。マンガ喫茶に着想を得たり、オタクキングが登場したり。
僕らの班は、カプセルホテルの見学に行きました。
特にアポも取らず殴り込みで乗り込みました。「建築の勉強で見学したいんだけど」とか言ったらおそらく嫌な顔をするのではないかなと思っていたのですが、フロントの方はとても親切で嫌な顔一つせず案内していただき、有り難く拝見いたしました。
ここなら泊まってもいい。面と向かったコミュニケーションが大事ですね。
湯島の一角にあります。



成果の一端です。
地階の、石庭に囲まれた風呂。








打ち上げは、秋葉原の課題ということで、メイド喫茶を用意してくださいました。爆笑。
秋葉原でも有名なメイド喫茶らしいです。
30人弱の日本人とフランス人の団体がメイド喫茶に大挙して押し寄せるというのはなかなか圧巻だったのではないかしら。
あと、本当に、「お帰りなさいませ」。

食事も飲み物も値段もインテリアも普通でした。
ただ、背後でメイドさんが客の男性に張り手を食らわせていたのが印象的でした。